ハードラバー材についてはマーマデュークマウスピースの記事でも触れました。
ハードラバーは原材料の天然ゴムに硫黄を加えて、加熱、硬化させた素材です。
メイヤーやセルマーのS80やソロイスト等有名なマウスピースはハードラバーが多いですね。
それだけポピュラーな素材といえるでしょう。
このハードラバー材の質をめぐって、ゴムの香りがすると質が良いとか、古い材質が良い等、様々な情報があります。
管理人も香りや材料の年代によって音質にどの程度影響があるのかは専門家ではないのでわかりません。
が、古い年代のマウスピースには確かに美しく、なんといいますかジャズっぽいといいますか、枯れた音色を出せるものがあることは事実だと思います。
そんな中、マーマデュークさんの考えが最も真実に近いのではないかと個人的には思います。(職人の技術のお話は今回は置いておきます)
それは「当時のハードラバーに不純物が混ざっていたから」という説です。
ヴァイオリンのストラディバリウスにもそんな噂がありましたね。
楽器本体の表面仕上げ材の成分に秘密があるのではないか、と。
だんだん都市伝説にみたいに(笑)なってきたのでこの辺にしておきますが、ハードラバーをめぐっては常に興味深い話がついてまわります。面白いですね。
ここに何の変哲もない現行品のヤナギサワのマウスピースがあります。
現代のものです。管理人がリビングにリガチャーつけたままほったらかしにしていたものです。
1年ほどですかね。
どうなっているでしょうか。
いかがでしょうか?
リガチャーの跡がくっきり残っていますね。日焼けのようになった部分はまるでヴィンテージ品のような雰囲気がなんとなく漂います。
通常状態のヤナギサワとも比較してみましょう。
このようになる原因は管理人は専門家ではないのではっきりとはわかりません。
空気の接触による変化か、温度変化なのか、色々考えられます。
管理人は光による変化なのではと思っています。
リビングにおいていたので、エアコンは一年通してかかっている時間も長く、室内の中では湿度、温度、最も安定した場所にあったといえます。
例えば店頭で長期間サンプル品としてガラスのショーケース内に展示してあるマウスピースは大抵このような状態にあることが多いですね。
さて、写真のヤナギサワはハードラバーが変色してしまっています。
一度こうなってしまうとバフがけでもしないかぎり、元には戻りません。
そして、変色するとはっきりとゴムくさい香りがするようになります。
ツルンとしていたはずの表面はザラザラになっています。
そして味。
これが苦く、しょっぱい感じがします・・。
硫黄とゴムの香りがほわんと広がります。
古いものでこのような状態のものをいくつか持っていますが、ヴィンテージだからというわけではなく、年代を重ねていくうちに感光してしまっていることが原因かと推察されます。
逆にヴィンテージ品であっても保管状態が良ければゴムくさい感じがしないものもあります。
海外オークション等では現行品で感光してしまったマウスピースが年代物として混同されている場合があるので注意が必要です。
ご覧のとおりハードラバーの色だけでは年代を特定することが難しいからです。
屋外で演奏する機会が多い方は仕方がないのかもしれませんが、保管するときは買ったときの箱にしまって、光の入らない場所に置くと良いのではないでしょうか。
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