このマウスピースはH.coufというブランドの楽器に付属していた?マウスピースかと思われます。
スパーバ2と楽器の名前が入っていますね。
H.Coufはドイツの楽器メーカーKeilwerth・カイルベルトのOEMとして主にアメリカで販売されていました。
ブランドの名前は立ち上げたご本人の「Herb Couf」氏から由来します。
コフ氏はプロのクラリネット、サクソフォン奏者としてアメリカでご活躍でしたが2011年にお亡くなりになっています。
ご存知の方も多いかと思いますが、Coufの最も有名なユーザーはグローバーワシントンJr.氏ではないでしょうか。
彼もまた99年に惜しくも亡くなってしまいましたが、その彼のスタイルの影響か、そもそも音楽的にマッチするのか、フュージョンスタイルで演奏する際、ソプラノにCoufのマウスピースを組み合わせる奏者が現在でも見ることができます。
その1人が今日でも大活躍のDaveKoz氏です。
DaveKoz氏はライブではConnのカーブドソプラノサックス、レコーディングではヤマハのYSS-62SにCoufのマウスピースを組み合わせて使用していますね。
管理人はDaveKoz氏の音が大好きです。
特にソプラノの音はなんともいえなく心地よく、曇ったような、ベールにつつまれたような、でもそれでいてホワイトノイズの混じった粘り気のある音を聞かせてくれます。
DaveKoz氏も「ソプラノの音をよく褒められるよ」と語っておりました。
前置きが長くなりましたが、そのフュージョン系の奏者に好まれるソプラノマウスピースがこちらになります。
セットして吹いてみると、セルマーやバリとは違ったサウンドと感触です。
アマチュア奏者の管理人でもなんとなくあのフュージョン系の香りがするような気がします。
意外や形状とは裏腹に息のとおりはスムーズで抵抗感は強くありません。
想像以上に吹きやすい部類に入るといえるでしょう。
本体がやや長めのマウスピースなのでいつものマウスピースセット位置とは調整する必要がありますが、問題ない範囲だと思います。
ご承知のとおりソプラノは音程がシビアなので、定番はやはりセルマー。
またはバンドレン、バリで、あまりアマチュアとしては選択肢が多いものではないなと感じておりました。
なので、結局似たような音になってしまいます。
なかなか個性を出しづらいのがソプラノですよね。もっとも個性の前に音程をしっかりせい、と管理人の場合は言われそうですが・・・。
Coufのマウスピースは一時期90年代後半までマウスピースも単体で販売していましたが、いまでは全くみかけません。
価格は当時の記録では、ラバータイプは、
ソプラノ:¥5200
アルト :¥7200
テナー :¥8300(ジャズモデル)
バリトン:¥11000
でした。リーズナブルですね。
しかし現在では、Coufのマウスピースは出回っている数が大変少なくソプラノはさらに少なくなってしまいます。
しかし、Coufのソプラノは実はRunyon(ラニヨン)のOEMである可能性が高いのです。
このように見比べてみると・・・全く同じといって良いですね。
吹いた感じも同じです。
DaveKoz氏はCoufの8番をお使いのようですが、ラニヨンであればCoufに比べればまだ流通量がありますし、オープニングも開きのせまめのものがチョイスできれば音程を調整したりできそうですね。
グローバーワシントンJr.あるいはDaveKozファンの方、またはちょっとテイストを変えてソプラノ吹きたい方は良いマウスピースとなってくれると思います。
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