管理人は数年前に一度フレッド・ランバーソン氏に連絡をとったことがありウエイティングリストに加えてもらっていました。
ところが、すっかりお忘れになられていたようで・・・
昨年久しぶりに再チャレンジしてみました。
すると、ランバーソン氏から返信があり、今度は運よく注文することができました。
注文したモデルは噂では聞いていた1920シリーズです。
20年代の古き良き時代の素材で制作したマウスピースとのことです。
オーダーしたのはFメジャーセブン(Fmaj7)というモデル。
オーダーをしてから約2か月で手元へ届きました。
海外でのオーダー品としては納期がかなり早い方といえるでしょう。さて見ていきましょう。
見た目はメイヤーのようでもありますが、中身はリバイユやベルグラーセンのような窪みのある構造をしています。控えめではありますが。
少しばかり薄めの色をしたハードラバーで重さも軽く感じます。
ランバーソンの素材、という感じがしますね。
付属のリガチャーは以前のランバーソン純正のものとは違い、一般的なものがついてきました。
ノーマル仕様のクラウドレイキーに付属するリガチャーと同じ?ではないでしょうか。
アメリカの楽器店に行くと、バラでリガチャーが安く売っていたりするのですが、そのシリーズですかね。
一応made in usaですが、特にオリジナルではなさそうです。
使用した感じも、「まぁこんなものかな」といった感じで、可能であれば別のリガチャーを使用した方が良さそうです。
音については、ここは狙いどおりといいますか、ダークな音色です。
うまいこと枯れた音色を出しやすいマウスピースだと思います。
現代の楽器であればアンラッカーのものと合わせて吹くとさらにいい感じでしょう。
息のとおりも実にスムーズです。
うーん・・・これは現行品のマウスピースの中では1、2を争う出来の良さです。
音色の良さと使いやすいさ、吹きやすさを高いバランスで実現している、といっても良いと思います。
褒めすぎに感じるかもしれませんが、それほど揃えるのは難しい条件だと思います。
マウスピース自体もよく振動している感覚があります。
このマウスピースの良いところとしてダークな音色でありながら、グッと吹き込める懐の深さを感じます。強く息を入れたときに艶やかに音が伸びていくフィーリングがあります。
ジャンルとしては、ジャズ全般で使えると思いますが、コンテンポラリーでもいけると思います。
軽やかに吹け上るフィールが実に心地よい1本です。
ネックとしては、新品は個人輸入しか今のところルートがないところ、そして価格です。
特に値段も確認せず勢いでオーダーしてしまいましたが、ドキドキしながら請求金額を確認すると、
本体価格500ドルの他に輸送費が28ドルでした。
レートにもよりますが6万円は覚悟しなくてはなりません。
支払についてはペイパルのみなので、アカウントを事前に取得しておく必要があります。
高性能であることに間違いはないのですが、500ドル予算があれば他にもたくさんの選択肢があります。
また納期についてもいつになるかは全くわかりません。
お急ぎの場合は、イーベイに出てくることもあるのでそちらを利用しても良いかもしれませんし、ニューヨークのロベルトウインズあたりではちらほら在庫を見かけます。
ランバーソンという銘柄がお好きな方、幅広いジャンルを演奏する機会のある方には良いマウスピースになると思います。
【18年5月9日追記】
ランバーソンのFmaj7のモデル解説を見つけましたので掲載いたします。
This style has no baffle which allows for an unrestricted free blowing piece. It has a natural saxophone sound and not that thin constricted oboe-like sound one often hears. There is a freedom in the throat that lets the sound speak more freely when there is no baffle. Even so, this design projects well.
バッフルがない(低いと?)とナチュラルなサクソフォンらしい音と吹奏感が得られる、ようです。
*すぐに切り替えても使用可能だと思いますが、ある程度経験を積んでからのほうがよりよさが伝わるマウスピースかと思います。
コメント
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