リバイユといえば10年ほど前ずいぶん流行りました。丁寧なつくりにもかかわらず、手の届きやすい価格設定で人気でしたね。
プロのユーザーでは小林香織さんが有名でした。リバイユメタルです。
他にもウエイン・ショーターが一時期テナーで使用したりとプロ奏者からも支持されていたと記憶しております。
2010年ごろまでのアルバムではこのリバイユのサウンドを聴くことができると思います。(もっとも最近はTKメロディという台湾メーカーのマウスピースを愛用のようです)
管理人のまわりにもユーザーが複数人おりました。当時はジャズモデル、LRモデル、スタジオモデルの3モデルが国内のラインナップにあったと記憶しております。
管理人は何度か試奏して試しましたが、どういうわけかこのリバイユ(特にスタジオ?)だけはリードミスが出ることがあり、自分には合わないな、と思っておりました。
月日が経って、現在国内ではあまりユーザーは見かけませんが、それなりに人気にあるマウスピースといえるでしょう。前置きが長くなりました。
さて、そんなリバイユですが、
正式のラインナップで「AT Chamber」というモデルがあります。
ATとは「Alex Terrier」アレックス・テリアというプレイヤーのお名前の略です。
ビバップがメインなのでしょうか、音色がダークで、艶やか・・・実に管理人好みのプレイヤーです。
運の良いことに昨年、ミンガスビッグバンドの一員として来日することが決まり観てきました。
ソロパートが少なかったことが少々残念でしたが、心地よい音色を楽しめました。
そのアレックス氏とリバイユ氏が開発したものがこのATチャンバーモデルです。
一見すると中身はベルグラーセンのようにも見えますが、バッフルはティップから入って中盤でぐっと落とし込んであります。
材質は今までのリバイユハードラバーモデルと同じという印象です。
音色は狙い通りのダークで、でも押し込むとパリッとも出せる感じが心地よく好印象なマウスピースです。
リバイユの通常のジャズモデルともフィーリングが似ている気がしますが、ジャズモデルがダークな傾向が強いのに対してATチャンバーは艶がかっています。
しかし、3点ほど、気になった点がありました。
1つ目は、このマウスピースはラージチャンバーなのでしょうか。通常のネックコルクの径だとゆるいです。
吸水ペーパーを1枚かませると収まりますが、気になる方はコルクの調整が必要になるかもしれません。
2つ目は、マウスピース自体の径がやや太いことです。セルマーリガチャーでは入らず、写真のようにウッドストーンメイヤー用のものでまあなんとか収まるかなという感じです。
余裕を持つならロブナーやバンドレンのオプティマムが良いかもしれません。
困ったときのオプティマム。1つあれば重宝するリガチャーです。
そして3つ目はくわえ心地です。
ご覧のとおり写真で示した部分が通常より広いため、吹こうとすると「おぐっ」となります。
この辺りは少し吹いていると慣れてきますが、メイヤーに戻したときにすごく低く感じるレベルです。
いつもより吹奏感が変わる感じが大きいと思いますので、メインにするためにはしっかりと吹き込んでいく必要がありそうです。
気になる価格はアルトで260ドル、テナーで280ドルです。国内での正式流通はなく、実際の入手価格は諸費用込みで3万円ほどになりそうです。
あくまでも管理人の意見ですが、試奏することができず、お試し価格にしてはやや高めなので、たまに出てくる中古を購入できればベストかなと思いました。
1万円中盤で買うことができます。そうなるとお買い得なマウスピースですね。
さて、恒例ではありますが・・・
*初めて間もない方は、ATチャンバーモデルの特性上、控えたほうがよいでしょう。
【アレックス・テリア氏 雑誌掲載情報】
アレックス氏についてはアルソ出版さんの『The SAX』vol.87で掲載されていました。使用楽器のことについてもお話されています。
現在はクランポンの「senzo」SPをお使いのようですね。ずっとクランポンのS1かと思っていました・・・。
カイルベルトユーザーのようでソプラノはデイブリーブマン仕様ののカイルベルトのようです。羨ましいですね。
↓↓↓ご参考までに。
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