クラリネットのマウスピースが評判が良いというのは聞いておりましたが、なかなか実物を試奏する機会はなく、かつて新大久保のDACさんにアルトがあり、一度だけ吹いた程度でした。
ふとしたことから思い出し、テナー用で良いラバーを探していたこともあり、問い合わせをしましたところ、ご厚意で2本試奏用に送ってくださることになり、普段の環境でたっぷりと試すことができました。
自宅やスタジオで吹くと「あれ?試奏のときとイメージ変わった?」のようなことがありません。
オープニングを中心に7番と8番で時間をかけてゆっくりと選ばせていただきました。
マウスピースは表面はマットな仕上げで、ざらざらとしています。
全体的に角ばった箇所のない丸みを帯びたフォルムをしています。
ナガマツさんのマウスピースはテーブル裏面の仕上げが特徴的で突起がありますね。
ティップのほうから覗いてみるとよくわかります。
やまぎりカット?といいますかギザギザとしています。
内側も削った跡がそのまま残っているようなデザインです。
ランバーソンの中の仕上げがわりとこんな感じでした。
これが振動に好影響を及ぼすとのことですがさて、どうでしょうか。
結論から申し上げて非常に優れたマウスピースです。
とにかく演奏しやすいです。
音域でひっかかるように感じる箇所がありません。
ハンドメイド系にしては値段が控え目ですし、ハードラバーのマウスピースとして一度は試す価値があると感じました。
もっと注目されても良さそうなマウスピースです。
音量は控え目ではありますが小編成でアコースティックな環境では良いでしょうし、太い音が鳴ります。
なんといいますか、泥臭い音というか、太いというか。
カリっと爽やかにウエストコースト系のようなさわやかな印象もあります。
ダダリオやバンドレンV16では現代的で音色が明るすぎると感じる人にはピッタリはまるかもしれません。
今回試奏したスタンダードタイプの7番はノーストレスで上から下まで軽く鳴ってくれ、コントローラブルです。
8番は程よい抵抗感が乗ってきて、音量も出るようになります。
どちらにしようか、本当に悩みましたが、最終的には8番にすることにしました。
ナガマツマウスピースはクラシック用、ジャズ用、フュージョン用とあるようですし要望によりカスタムオーダーも聞いてくれるそうです。*要確認
なかなかそういうサービスがあるようでないので、非常にユーザーフレンドリーでありがたいですね。
最後にユニークなのは「箱」。
美しいパッケージにマウスピース型の切り込みがあり、そこにマウスピース本体をしっかり収めることができるようになっています。
これで中でカタカタ動くことはありませんね。
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