セルマーはサックスのマウスピースとして大変人気があり、クラシックや吹奏楽、ジャズにいたるまで幅広い層に指示されているブランドですね。
今回はスピリットというマウスピースで、セルマーの中ではマイナー?な存在のモデルです。
フランスのサックス奏者「ピエリック・ぺドロン」氏とセルマーが共同開発したジャズ向けマウスピース、というのがこのマウスピースの誕生した物語ですね。
数字の184はマウスピースのオープニングサイズです。
この場合は1.84ミリを表します。
このモデルのオープニングはそもそも2サイズしか存在せず、狭いものがこちらの184、広いものは210となります。
210はメイヤーでいうところの7番~8番くらいになってしまいますから管理人は184をチョイスしました。
演奏することが楽なマウスピースを目指した、というピエリック・ぺドロン氏ですがどんな特性を持っているのでしょうか。
まず外観ですが、ややずんぐりむっくりとした丸みを帯びたボディです。
したがって少々太めにできており、ソロイストやS80といったラルフモーガンエクスカリバー等、細身のマウスピースをご使用の場合はリガチャーの径が細くて入らない可能性があります。
バンドレンのオプティマムまたはハリソンメイヤー用などがあれば入ると思います。
マウスピースにリガチャーは付属しないモデルですのでそこは注意が必要です。
購入前には必ず確認しましょう。
見たところ、内部はステップバッフルに見えなくもないようなバッフルがついていますね。
セルマーには珍しい雰囲気です。
もっとも、アルト用スーパーセッションにも大きくバッフルがついたものや、ロールオーバー型のものを見たことがあるのでこの個体の特性かもしれません。
セルマーって意外と個体差が大きいメーカーだと管理人は思っています。
やはりできればこのモデルも試奏してから決めたいタイプですね。
さて、吹いた感じですが、ピエリック・ぺドロン氏の思惑どおり?安定感があり使いやすいマウスピースです。
音色はいい具合にメイヤーとセルマーを足して2で割った感じでしょうか。
吹奏感の中にメイヤーのように音が練られる感覚がありますが、その中にセルマーの持つ上品さの芯が存在します。
管理人は一時期ビッグバンドで使用していたことがありますが、高めについたバッフルのおかげで埋もれることなく演奏することができたと思います。
それでもキンキンと耳障りになりそうな音の成分は上手にカットされています。
さすがセルマー、といったところでしょうか。
音量は同サイズのメイヤーより一歩出ると思いますし、音にエッジが立つ分、自分の音をモニターしやすいと感じました。
地味な存在ではありますが、独特の音色があり、値段から考えても優秀なマウスピースであると言って良いと思います。
やや太目な構造なので普段より若干くわえたときの感触が変わりますので演奏の前には何度かテストをして挑むと良いかと思いました。
ユニークではありますが、道具としても使える1本です。
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