サックスはけっこう面白くて話し出したら止まらないユニークな伝説がたくさんある楽器だと思うのですが、
そのうち整理して取り上げようとは思いますがマニアックなところですと「OLDS SUPER」にまつわる伝説、「SELMER USA OMEGA 」についての伝説だったり・・・。
中でもこのV16マウスピースは長い歴史の中では比較的新しい部類の道具なのに都市伝説のような話がついてまわるマウスピースなのです。
→「オークションで買ったらめちゃくちゃ吹きやすてびっくりした」
とか。
→「あまりに吹きやすいので後日楽器屋さんに買い増ししにいくと・・・それはもう別物のように吹きやすくなかった・・・」
というストーリーが多いのです。
バッフルがあるものがあったり、ないものがあったり・・・・。
いったい何なんだろう??と。
共通するのは「1本気に入るものがあって同じような吹奏感を探しにいくともう同じ感覚で吹けるものはなかった」という内容です。
UMA(←未確認生物)の伝説ような・・・実に興味深いと思いませんか?
管理人はメイヤーが好きで何本も吹いていますが、新大久保を2件ほどまわれば少なくとも1本くらいは自分のイメージに近いものは見つかります。
ところが。
このV16については運命の1本に出会う確率が低い・・と。
はてさてどうなのでしょうか。
ここでこのV16マウスピースについておさらいしますと。
コンセプトは、「1950年代の有名なアメリカン・アルトサクソフォンマウスピースの伝統とそのサウンドに啓発され」とあり、古き良きジャズサウンドを求めたことがわかります。
おそらくここでいうこの時代のアメリカン・マウスピースとはメイヤーのことで間違いないでしょう。
数年前にマイナーチェンジはして、S+(スモール)とM(ミディアム)の2つの異なるチェンバーが選べる、ということになっています。
バンドレンのマウスピースが面白いな、と思うのは番手が異なると推奨するコンセプトも若干変わってくる、という点です。
基本的にはモデルごとにコンセプトは共通なのですが、オープニングごとに意味合いを変えて示しているのはあまり他に例がありません。
例えば。
V16 A5の場合「歴史的なジャズの巨匠たちが好んでいたティップ・オープニングを採用しました」とあります。
おそらくメイヤーでも人気のあったオープニングのことでしょう。
そしてA7になると「パワーとダイナミックレンジの広さのバランスが完璧です」という具合に解説が変わります。
さらにはA8モデルになると「A5と同じ性質で、開きが大きめです」といいつつ、フェイシングはMLからMS(ミディアムショート)へと変更されています。
これはヤナギサワのマウスピースでも同じ、といいますか、オープニングが変われば適するフェイシングも変わる可能性もあるので設計者によってこのように形状にも変更が加わることがあります。
このようにデータを公表してくれているからわかるのですが、他のメーカーやモデルでも同じことは起こっていると思います。
ただこのようにオープニングごとに目的、といいますかニュアンスを変えているのは面白いですね。
V16の成り立ちや現在地はこのような感じになります。
少々長くなりますので次回より都市伝説的なものを具体的に検証してまいります!
引き続きよろしくお願いいたします!!
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