さて!お待たせいたしました。では実際に年代の違うものを吹いていきましょう。
V16のバッフルには昔の初期ロットのものにはバッフルが高めであたりがある!という伝説まで存在しますがそれはどうでしょうかね。
(初期のものっていつ頃のことを指すのよ、という問題もありますが・・・)
さて。
ここに年代の異なるアルト用の3本のV16があります。
1つ目は自分で選びぬいた1本。6~7年ほど前のものでしょうか。A5Sです。
2つ目はプロ奏者の選定品。2~3年前の比較的新しいものです。A5Mモデルです。
3つ目はリフェイス品です。今回の検証のために!?探してきた2008年ごろのV16です。
A8Sです。
既に何度も吹いたこともあるマウスピースもありますが、改めてどんな違いを感じることができるでしょうか。
スモールチャンバーの影響もあり直線的に音が出ます。
それでもコントロールはしやすく一時期けっこう気に入って使っておりました。
メイヤーに比べると少々固めの音がします。
ラバーの材質も固いような気がします。
マウスピースが気持ちよく鳴る!という雰囲気ではないですね。
非常に現代的であり、ビンテージの再現感はほとんどありません。
むしろビーチラーのラバーモデルのような香りもします。
とはいえ、複数本の中から選んでその人に会えば使いやすいマウスピースであると思います。
以前もご紹介したプロ選定モデルです。
そうですね、やはりMモデルということもありおとなしい印象を受ける1本です。
最近のラバー材質の特徴なのか、やはりMモデルでも固めの出音がします。
扱いやすくはありますが、プロ向けといいますか、メイヤーのような軽やかさは少ないですね。
アメリカで探してきて購入した1本です。
このマウスピースを購入したのはリフェイスによってダウンサイズされていたからです。
まぁその・・・いわゆる「バッフルが残っているから吹きやすい説」を検証するにもV16マウスピースってステップバッフルでもないので極めてそれは難しい作業です。
V16自体がマウスピースの歴史に中においては比較的新しい部類のマウスピースに入るため、年代の特定は難しいと感じています。
古いものにはシャンクのリングがない、という話も聞いたことがありますが、外せてしまえばそれもわかりませんね。
当ブログでも既に検証したとおりハードラバーの曇り加減、日焼け加減、あるいは「におい」では新旧は十分な検討材料にはなりません。
なので、1つ仮説を立てました。
オープニングが後から手を加えて、開きが狭くなればバッフルは自然と底があがり、高くなるのではないか。
もしかしたらバッフル高めのV16を多少なりとも再現できるかもしれないと考えました。
吹いてみると・・・・・
違いは明白でした。
これは良いマウスピースでした。
音色がダークですが吹き込めば艶やかにパワーが立ち上がります。
イメージはまさにヴィンセントハーリング氏(超恐れ多いですが・・・)。
あくまでもイメージですよ。
これはどうしたことでしょう。別物のような感覚です。
リフェイスされている時点で別物といえば別物ですが、マウスピースの持つ基本的性格はあまり変化しないはずなのですがラバーの振動感も違うのです。
これが伝説にいうところの当たりのV16なのでしょうか・・・。
で、あればこれは良いマウスピースに違いありません。
ですし、噂に出ているような当たりのV16が存在していることもうなずくことができます。
メイヤーと似てはいますが、もっちりと音を練るような感触があります。
現行品と全然違うのです。
いい感じのサブトーンも出ますね。
2008年ごろの1本なのですが、ラバーの材質が違うのでしょうかね。
リフェイスの影響もあるのでしょうけど、やはり・・・マウスピース自体の振動加減が違うのです。
今まで試奏してきたものと全く異なります。
うーん・・・・そうですね、これは確かに材質も異なるものが存在していそうです。
それでは現時点での検証結果です。
です。
量産品でもしっかりと職人さんの手作業が加わっているために個体差も存在するのでしょうね。
良い個体、ぴったり合う個体に出会えれば現行品でもなんでも良いわけですが、宝探しのような感覚で探してみると楽しいですね!
長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。
コメント
V16ですが、初期のものは金属のリングが無いだけでなく箱も現行品とは異なるため、そこが判別ポイントだと思われます。
い様
コメントありがとうございます。箱ですね、そうですね、歴史があるマウスピース等、箱のデザインが製造の時期に異なりますね。大変参考になります。何より記事をお読みいただき大変うれしく思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。管理人 TAKA