久しぶりのサックス本体のお話です。
何を隠そう、管理人が愛用しているソプラノサックスです。
もうかれこれ10年以上これです。
YSSー475購入後、YSS-82Zシリーズがリリースされたり、セルマーシリーズ2やヤナギサワS-901Ⅱ、ヤマハも875EX等、試奏しましたが、結局この475に落ち着いております。
他の機種がダメだったわけではありません。
シリーズ2はかなり惹かれましたし、875EXのラッカーも美しい音色で好きでした。
(予算が十分に取れず・・・という問題もありました)
管理人はアルトやテナーの比率が高いのでやや出番の少ないソプラノはこれで十分と判断しました。
元々は90年代前半まで製造していたヤマハの名器YSS-62の後継機としてYSS-475初代は登場しました。
アメリカヤマハの以前のサイトにはYSS-62の流れを汲んだモデルであるとはっきり書いてありました。
現在は82Zがありますが以前はストレートタイプのネック一体型ソプラノサックスはこの475しかありませんでした。
初代はベル部分の彫刻はなく「YAMAHA」のシンプルな文字ロゴのみがありましたね。
ちょっと殺風景ではありましたが基本をしっかり押さえた良いサックスだったと思います。
その改良型モデルが現在の475Ⅱです。
上位機種の875の恩恵を受けキーアクションがよりスムーズになっています。
テーブルキーの形状にも変更が加えられていますね。
とにかく使いやすい楽器です。
そして音程も安定しています。
さすがのヤマハといったところです。
ソプラノはご承知のとおり音程にシビアなので助けられています。
バックもリュック型に変更がきくので合わせるときは背負って出かけていけます。
手持ち型ハードケースは重いので購入後に改めて外出用にケースを買いなおす必要がありません。
これは見落としがちですがケース単体でもそれなりにお金がかかるので嬉しいポイントの1つです。
実は管理人は475の前は62の初期型を使用しておりました。
しかし管理人の鍛錬不足で音程が落ち着かず、使いこなすことができなかった経緯があります・・。
初期型はLow C#キーの位置の関係でタンポが張り付きやすかったり、苦労しました。
音色はとてもふくよかで良かったのですが。
そこで違和感なく入り込めた楽器として選んだものがこの475Ⅱとなります。
音は基本的にはクリアで大変伸びやかです。
ダークに吹くこともできます。
音程が安定しているため他楽器とのアンサンブルでも安心して取り組むことができます。
1本あればあらゆるジャンルに対応でき、長い間使用することができる楽器だと思います。
初期型475のときアメリカでの販促シラシにはこうありました。
「It’s miracle!」
低予算でもこれだけの安定したパフォーマンスを発揮することがまさに奇跡だということでしょう。
ヤマハの社内からもYSS-475は手間をかけて作っているので実際かなりお買い得な楽器、という評が聞こえてくる、ようですよ。
スイスのハンドメイドサックス「インダービネン」は本体はハンドメイドでも、キーはヤマハ製のものが多く、ソプラノは推定ですが見る限りは475ベースのように見えます。
インダービネンはYSS-475のハンドメイド&逆輸入版ともいえるかもしれません。
あのマイケル・ブレッカー氏が生前絶賛していましたね。
国内プロにおける評価も安定しております。
例えば勝田一樹氏は475ユーザーですね。
最近ではシリーズ2を気に入ってご使用のようですが、 「Impressions Tour Live 2005」の『Everlasting Melody 』で使用されているのがYSS-475初代です。
475の音色を最高まで引き出した例の1つ、と管理人は思っています。
一方、弱点としてよく言われるのはキーのスプリングです。
ステンレススプリングなのでキーバランスが崩れやすかったりとか、ステンレススプリング独特のやわらかいキータッチが合わない人もいるようです。
実際キーバランスは使用していてとりわけ狂いやすいということもないですし、管理人はそれも含めて475が好きです。
ステンレススプリングのキータッチが低反発クッションのように心地良いのです。
したがいまして長年にわたって使用できているのだと思います。
YouTubeご覧になればたくさん動画が出てきますが、吹き方やセッティングによってはケニーGそっくりの音色を出すこともできます。
Dukoff8番をつけて475吹いている動画はたくさんありますね。
なんだかYSS-475Ⅱの宣伝のようになってしまいましたが、正直な感想です。
楽器として、道具として、扱いやすく、信頼できる、優れたサックスだと思います。
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