大好きな奏者であった平原まこと様が令和3年に亡くなりました。
2021年11月26日 69歳だったといいます。
実は管理人は平原まことさんのご生前に共演(と言い切れるほどの私の実力は伴わないのですが・・・)
する機会が数回ありまして、そのお人柄に直接触れるチャンスをいただきました。
本当に穏やかで、あたたかく、そしてユーモアたっぷりに接してくださり胸が熱くなったことを思い出します。
大物ミュージシャンを前にリハで緊張する管理人たちを見て、
「アイーーーーーーーン!!」
と志村けんさんのネタで場を和ませてくれたのも鮮明に覚えています。
やさしい笑顔だったなぁ。
平原まことさんと言えば、当ブログで改めて解説することが憚られるほど、腕利きのスタジオミュージシャンとして長年ご活躍でしたね。
コンビニ等でふと流れてきた音楽の中にアルトのソロが聴こえてくると、「あ!平原さんだ!」とはっきりわかるような歌いまわし、音色をお持ちの方です。
ふふふ・・・やっぱりさすがだなぁと1人でにやにやしていました。
自宅で何気なくTVの歌番組流しているようなとき、「おや?」と振り返ると平原さんが映っていると嬉しくなったものです。
素晴らしい音色をお持ちの方でした。
特に管理人はアルトの音色が大好きでした。
宮川彬良さんとも長年共演され、「宇宙戦艦ヤマト2202」のコンサートでも美しい音色を披露されています。
平原さんの雄姿とこれぞ平原サウンド、というのが感じ取れます。
「クレヨンしんちゃん」ご覧になったことがある方も多いと思いますが、
主人公「野原しんのすけ」の劇中テーマともいえるあのメロディは・・・
平原まことさんの演奏によるものです。
クラリネットのポップなメロディといえばおわかりでしょうか。
はっきりと自分の音色、いや誰にも似ていない新しい音色、世界を見渡しても同じ音色はなく、平原まことさんにしか出せない音色をお持ちだったと思います。
それだけに大変残念です。
平原さんと接するときに「どうすれば平原さんのような音色が出せるのですか?」
と聞いたところ。
*このときはソプラノについて
平原さんは・・・
「寒い日に手を温めるとき、はぁーーーーと息を吐くでしょう?あのイメージであたたかい息をいれてごらん」
とアドバイスいただきました。
「あたたかい息」
管理人にとって金言です。ずっと忘れません。
平原さんのギア、マウスピースと言えば「Jake」ですね。
楽器本体はセルマー・マークⅥですね。
こちらは平原まことさんの演奏会にて撮らせていただいたご本人のものです。
リガチャーはおそらくセルマーの1点絞めのタイプですね。
マウスピースのシャンクの部分にバンド?のようなものが巻いてあり、補強している跡があります。
「Jake」はジェイク・コンセプション氏のブランドです。
現在は廃盤、といいますかジェイク氏も故人でありまして、新品で店頭には入荷はありません。
透明またはホワイトのアクリル系の素材が特徴です。
Jakeは手仕上げで、ジェイクさんが削っていたようなのですが、その影響か個体差が大きく、たとえ見た目の状態が良いものを見つけても自分に合うかどうか所感が分かれるマウスピースです。
プロ奏者から直接聞いた話でも「イメージしていたより吹きにくい印象」という方もおりました。
故に使いこなすのが難しいマウスピース、としても有名ですね。
平原さんはマウスピースの調整もご自身でなさることがあったようでJakeも自分で調整されていたときいたことがあります。
現状ではクラック(ひびわれ)がなく、綺麗な個体を探すのには5~6万、はかかるでしょう。
*新品当時の販売価格は4万円ほどだったと記憶しております
それでもハマれば音色の幅の広さ、マイク乗りの良さから探しておられる人も多いと聞きます。
管理人も1本、もうそりゃ平原さんの憧れて、ホワイトアクリルのものをもっておりますが、
音色の幅が広く、バンド活動等再開すれば本格的にデビューさせたいと思っております。
管理人のJakeについては別途記事掲載いたしますね。
日本一、いや世界一の「Jake」の使い手、平原まことさん。
本当に惜しい人をなくしてしまいました。
あなたのお人柄と笑顔、音色はずっと忘れません。
一社会人として大変尊敬できる方でした。
この場を借りて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
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