セルマーといいましてもアメリカセルマーです。
セルマーUSAのほうですね。
アメリカではセルマーは「Conn-Selmer」という会社が総代理店となっておりまして、
ご存じヤナギサワも「Conn-Selmer」をとおして流通していることになります。
セルマーUSAもまたConn-Selmerの1ブランドということで展開されているわけです。
日本にもわずかではありますが、「ヤフオク!」等を通じて少量輸入し販売されている方がおり、たまに見かけることがある「セルマーUSA」ブランド。
実態はどうなのでしょうか。
製造は台湾であり、日本では野中貿易さんが取り扱った「C.G.CONN」のCAS-280あたりが基本設計を同じくしたものであるようです。
アメリカでは初級、中級者向けの楽器として幅広い選択肢がありまして、セルマーUSAはそのエントリークラスからセミプロクラスを中心に展開しておりました。
管理人はかつてセルマーUSAの「La Voix」というモデルを使用していたことがあります。
もうかれこれ20年ほど前のモデル?になるのでしょうか。
ずしりと重たいボディにラージベル。今でいうキャノンボールに似たデザインでした。
ブロンズのボディでDukoffを合わせるといい感じに音がまとまったのを覚えております。
支柱に「S」のロゴがあったりけっこう凝った造りだったので手元にとっておいても良かったかなと思っております。
さて。
アメリカのセルマーブランドの展開(アルト)は、
という流れでラインナップされており、「42」という番号はその下に位置する、という意味かと推測されます。
とはいえ、セルマーUSAとしては「エントリーレベルプロフェッショナルクラス」という位置づけですから力を入れているはずです。
もうお気づきかと思いますが、このサックスの最大の特徴は台湾製のボディに本家セルマー設計のネックを搭載していることです。
この楽器用にセルマーパリにネックを作らせた、と。
確かに今までセルマーパリとセルマーUSAは同じ名前でも出すものは別物・・・という歴史を歩んできたように思えます。
そんな中両社がコラボして作り、世に送り出した初のサックス、という触れ込みで2015年あたり?にリリースされた楽器だったと記憶しております。
シリーズ2でもなく、3でもなく、リファレンスでもない、専用設計のネックがあるのですね。
ワクワクしますね~実に。
一度吹いてみたい気もしますが、$2700~$3000とけっこういい値段していますね・・。
アメリカではけっこう売れていて人気があるのか、中古でもなかなか値段が下がりません。
確かにセルマーパリの楽器が2000年あたりと比べてもかなり高くなっていますからそこと比べるとお手頃ですが、アクソスも出ましたし、台湾ならキャノンボールもありますからね。
なにせ日本ではヤマハ、ヤナギサワが入手しやすいので、無理にAS42に手を出す理由があまりないのかもしれません。
それでも「人と同じ楽器はなんかなー」という人にはうってつけですね。
まずかぶることはないでしょうし、けっこうおもしろい貴重な1本として長く使えるでしょう。
コメント